オイル消費を改善する添加剤の選び方

Rislone に関していただく質問内容で最も多いもの、それが「オイル消費の車両があるのですが、どの添加剤がおすすめですか?」という内容です。オイル消費またはオイル食いとも呼ばれるこの症状は、オイルメンテが悪い場合やエンジンの老朽化によってすべての車両に起こり得ます。つまり、エンジンの構造上避けられない症状でもあるのです。

オイル消費とは一体何なのか

簡単な答えは、何らかの原因でエンジンオイルが燃焼室に侵入してしまうことでオイルが燃料と一緒に燃焼されてしまい、エンジンオイルが少なくなってしまう症状のことを指します。

エンジンオイルが規定量より少なければエンジンは本来のパフォーマンスを発揮できなくなりますよね。エンジンにとってのエンジンオイルは、人でいう血液のようなものですので沢山失ってしまうと非常に危険な状態になります。つまり、オイル消費を改善するためには、オイルが燃焼室へ侵入する経路を修復する必要があるということになります。基本的にはエンジンのオーバーホールが必要になりますので多額の工賃がかかってしまうとよく耳にします。しかしながら、オイル消費は添加剤で治ることもあるということも覚えておいてください。ページの最後の方でオススメの添加剤をご紹介いたします!

「オイル上がり」と「オイル下がり」

オイル消費は、症状を2つに分類でき、それぞれが「オイル上がり」と「オイル下がり」と呼ばれています。この症状名、エンジンの仕組みを理解している人からすると中々に秀逸な呼び名ですよね。実はここに添加剤を選定する上でのヒントもあるのです。では、これらについて図を元に考えていきましょう。

この図、この記事のために気合を入れて作っちゃいました!それぞれの部品がどのように動くかは想像しづらいと思いますので、エンジンの動き~とかで調べると動画が沢山でてきて面白いですよ!
とまぁ冗談はさておき、このページをご覧のみなさんはきっとオイル消費のことでお悩みだと思いますので本題へと参りましょう!

①オイル上がり

ピストンの動き

エンジンの下部にはシリンダーブロックに固定されたシリンダー内にピストンという装置がついています。これは、燃焼室で燃料を爆発させた際に発生した力を最初に駆動系に伝えていくための重要な装置です。ピストンはシリンダーという金属筒の中で上下にピストン運動(往復運動)を行います。そして、ピストンに取り付けられているピストンリングというゴムの部品がシリンダーウォール(シリンダー壁)とピストンの金属摩擦を抑えてくれているクッションの役割をすると同時にエンジンオイルが燃焼室へ入らないように蓋をしています。

オイル上がりの原因

ピストンは金属部品であり駆動装置にあたりますのでエンジンオイルによる潤滑が必要になります。仮にエンジンオイル量が少ない状態だったり、エンジンオイルを長期間交換せずに劣化した状態で駆動させ続けてしまうと強烈な摩擦によって傷だらけになってしまい、すぐにエンジンが壊れてしまいます。
状態としてよくあるのは、ピストンリングの収縮やシリンダーウォールへのひっかき傷です。こうしたほんの少しの隙間を伝ってオイルが漏れてしまうのですから困ったものです。(エンジンが機械で潤滑を必要とする限りは当たり前の問題ですが)

つまり、オイル上がりと呼ばれる症状は、この潤滑油であるエンジンオイルが、ピストンやシリンダーの損傷によって徐々に燃焼室に入ってしまい、燃焼され、結果としてエンジンオイルが減っていく症状を指します。
図を見てみますとピストンとシリンダーの間をオイルが上がっていき燃焼室へ入っていっていますね。こうしてオイルが上がっていくのでオイル上がりと呼ばれているのでしょう。

②オイル下がり

バルブの役割

バルブは2種類が存在し、それぞれが吸気バルブと排気バルブと呼ばれています。吸気バルブは、霧状の燃料と空気の混合気を燃焼室内につくる弁の役割を担っています。燃料だけを燃やすのでは効率が悪いので空気も混ぜるために調整をしてくれるわけです。対して排気バルブは、燃焼された混合気をエンジンの外へ排出するための弁の役割となります。

オイル下がりの原因

吸気バルブと排気バルブは、カムシャフトに押し込まれる形で弁が開きます。この際に、バルブの金属摩擦による劣化を抑えるために使用されているのがステムシール(バルブシールとも呼ばれます)となります。ほとんどのステムシールはゴムでできていますので、経年劣化やオイルの管理不足などによりシール機能を損うことでオイル下がりの原因となります。バルブはエンジンの上のブロックについていますので、そのオイルが燃焼室に落ちてくる、これがオイル下がりと呼ばれる所以ですね。

オイル上がり・下がりの症状と見分け方

前置きが長くなってしまい申し訳ありません…(これでもかな~り省略しています)
ここからが本題です!

ここまで、ピストンが~とかバルブが~とかグダグダと説明しましたが、ぶっちゃけエンジンをバラさないと正確な特定はできません。しかもバラしても特定できないこともあるそうです。しかしながら、見分け方にはいくつかの目安があることも事実なのです!ここではその“目安”についてご説明いたします。

まずは白煙が出ていないかをチェック!
バルブは2種類が存在し、それぞれが吸気バルブと排気バルブと呼ばれています。吸気バルブは、霧状の燃料と空気の混合気を燃焼室内につくる弁の役割を担っています。燃料だけを燃やすのでは効率が悪いので空気も混ぜるために調整をしてくれるわけです。対して排気バルブは、燃焼された混合気をエンジンの外へ排出するための弁の役割となります。
朝一番のアイドリング時に大量に白煙を吹く車はオイル下がりの可能性大
これは、エンジンを動かしていない時間に吸気バルブにオイルが溜まっていき、エンジン始動と同時に燃料と一緒に大量に燃やされるためです。そのため、走行中はオイルが少しずつ燃焼される傾向にあるので白煙が薄くなります。排気側でも同じことが起こりますが、吸気側よりも燃焼室に食われる量は少ないようです。その代わりに、マフラーからオイルがすこーし出てくることもあるようです。
誤解しないでいただきたいのが、走行中でもオイルは食われ続けているということです。目に見えるほどの煙が出ていないだけですのでオイルは減り続けます。
国産車はオイル上がり、欧州車はオイル下がりが多い!?
目安としては頼りないですが、数百社以上の整備工場さんで聞いたお話を統合するとこういった傾向があるようです。シール材をカーメーカーに卸している会社はそう多くはないでしょうから意外と当てはまりそうな傾向です。T社製のA1ZやA2Zエンジンはオイル上がりが多いというのは超有名な話のようです。
車両の走行距離が11万km以上の車はオイル下がりの可能性が高い
オイル下がりの原因となるステムシール(バルブシール)は、オイルと接していますのでダイレクトに経年劣化を受けます。ゴムは経年劣化により収縮を起こしますので、結果としてオイル下がりとなります。オイルメンテをしっかりと行っていれば疑ってみてはいかがでしょうか。また、ピストンリングは複層構造になっていたり、ピストンとシリンダーが密接になっていたりと、経年劣化に関してはステムシールよりも強い構造になっています。

おススメの添加剤

①コンプレッションリペア

高粘度のオイルでシリンダーウォール上のかき傷を埋めることでオイルの侵入を防ぎます。
オイル上がりの改善では、通常の漏れ止め剤のようにピストンリングをふやかすことは非常に難しいので、そもそものオイル侵入経路をしっかりガードするための添加剤です。スラッジによるピストンの固着にも効果があるのが嬉しいところ。
ただ、オイルに性能を持たせるタイプの添加剤ですので、オイル交換毎に添加する必要があります。


おすすめ度
オイル上がり
☆☆☆
オイル下がり
-
付加効果
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②エンジンリペア

1つのボトルに2液が入ったオールマイティタイプの添加剤です。
左側はコンプレッションリペアと同じく高粘度フォーミュラでオイル上がりに抜群に効くように設計されています。右側は、低粘度オイルで洗浄剤やシール復活剤が含まれています。古いエンジンでは、少なからずスラッジが溜まっていてエンジン馬力が落ちていたり、シールが傷んできているはずですのでこのエンジンリペアがおすすめです。ステムシールも硬くなっていれば復活させてくれるので軽度のオイル下がりならばご使用いただけます。オイル消費の原因がどちらかわからない場合にもこちらをお試しください。
異音除去など多くの付加効果もあるのが嬉しいところです。


おすすめ度
オイル上がり
☆☆☆
オイル下がり
付加効果
☆☆☆
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③バルブシールリペア

低粘度のオイルでステムシール(バルブシール)にのみ効果があります。ステムシールは燃焼室の排熱に晒されるシール材ですので、通常のシール材よりも硬い耐熱素材でできているものが多く存在します。そうした特殊なシールを復活させる成分の他にも高分子ポリマーによる隙間埋めの効果まであるのがこの添加剤の特別なところです。硬くなったシール材に柔軟性を与えて復活させるとしてもすべての隙間が埋まるわけではありません。こうした復活してもまだあるオイルの侵入路を高分子ポリマーが埋めるとこで、より高い修復効果を実現しています。
リスローンのリアメインシールリペアと併用することでプラグホールの漏れにも対応できるようになります。


おすすめ度
オイル上がり
-
オイル下がり
☆☆☆
付加効果
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製品の詳しい情報はこちらからリスローンのカタログをダウンロードお願いします。
カタログ内に詳しい選定表がありますので最適な一品を選んでいただけますよ!

https://leaklab-japan.jp/products

最後に、いろいろと添加剤をご紹介させていただきましたが、ご使用にあたり絶対に気に留めていただきたいことが1点あります。それは、「100%改善できるとは限らない」ということです。例えばシール材自体が物理的に割れてしまっていると高い効果は期待できないので、添加剤はあくまでオーバーホールという名の手術をする前に車に飲ませてあげるお薬なのです。安価な薬で治るならばそれに越したことはないので、あくまで高額な工賃が発生する前の段階や延命処置としてご使用ください。
素晴らしい結果を得られたとき、リスローンは最高の達成感を覚えます。

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